テスラ社の家庭用電池発売。10年後はオフグリッドで電力線に繋がらない家が普通の世の中に!?

2018年12月13日建築・リノベ

オフグリッドに対する最近の憧れ

うちの奥さまは一級建築士です。以前はゼネコンで建築設計の仕事をしていましたが、最近は自宅で仕事。賃貸アパートの改修工事の監督などをやっております。

その奥さまの最近の興味は、なんと言っても「オフグリッド」。グリッドというのは「電力線」のこと。「オフグリッド」とは、電力線から切り離すことを意味する用語なのです。太陽光発電による、電力の自給自足生活を意味します。

これを実現する為には、太陽パネルだけが必要なわけではありません。太陽が隠れている間、そして夜中でも、現代生活には電力が欠かせません。太陽光パネルで発生した電力は、一旦バッテリーに蓄えておき、使う時まで取っておく必要があるのです。バッテリーといっても、家の全体の電力を賄うとなると結構なサイズのものを家のなかに設置することになります。

このようなシステム、DIYレベルで構築するにはそれほど難しく無さそうです。ただ、家一軒分の電力を賄おうとすると、仕組みは同様ですが、規模間が変わってきます。それだけコストも増えてしまいます。

先日、DIYレベルの基礎の基礎は、「わがや電力」という書籍の紹介として記事を書きましたので、こちらもご覧下さい。

太陽光発電でオフグリッドを目指す為に読むべき一冊。わがや電力!

テスラが家庭用のバッテリーを発売

そこで奥さまが見つけてきたのは、テスラの電池。

テスラと言えば、かの偉大な現代の起業家、イーロン・マスク氏が率いるアメリカの電気自動車のメーカーです。イーロン・マスク氏は、また、民間企業で宇宙を目指すSpaceXのCEOとしても活躍している人物。最近はSpaceXの技術を使って、タイの洞窟に閉じ込められた子供達を救出しようと技術提供を試みたことでも話題になりました。並外れた野心と行動力です。

エンガジェット記事より: イーロン・マスク、タイの洞窟現場に小型潜水艦携え到着。少年救出への使用可能性は低いものの「準備はOK」

それで今度は電気自動車のバッテリーの技術を使って、家庭のオフグリッド化を推進するビジネスを始めたようです。

タイナビ(太陽光発電サイト)より: テスラ社の家庭用蓄電池「パワーウォール2」の性能と価格の安さを検証

13kWhもの電池をご家庭の壁に掛けられる美しいデザインで提供。しかも、価格も大手の5分の1というもの。下の写真の左の塀にくっついている白い板がバッテリーです。

Tesla Wall battery
出典: https://www.tesla.com/energy

車の電気自動車化とソフトウェアの改善で走行性能をアップデートするテスラ。その商品は、単に技術を売るのではなく、デザイン性にも優れていて、乗る人の体験を最大化する事で、人気を獲得していきます。

そんな、テスラらしく、家庭用のバッテリーも、性能だけではなく、壁に張り付ける独特のデザイン性。そして、人々の太陽光システム、オフグリッドの常識を塗り替える価格設定。

素晴らしい製品です。

そして、そこに食いついたのが、うちの奥さま。

多分、彼女はイーロンマスクもSpaceXも、ことによっちゃ、テスラが何の会社かも知らないのではと思います。

ブランドロイヤリティも知名度も一切関係なく、製品の価格と性能の妥当性だけで、この商品をネットで見つけてきたに違いないのです。それが、うちの奥さまの一つの特技ですね。

十年後には、電線の引き込みはなくなる

こんな商品が出てくる世の中。もう、オフグリッドの動きは止まりません。今年は、北海道の地震による停電や、関空の台風による空港封鎖など、自然災害が記憶に残る年でした。

必然的に災害時のインフラ停止に対する備えを考えてしまいます。

そこに、オフグリッドの現実的なソリューション。人々が食い付かない訳がありません。

今朝は、奥さまと、10年後には、家の電力線の引き込みは無くなるだろうと話してました。

きっとそうなると思います。電力は必要な場所で作ってその場で使うのが一番効率がいいのです。現代社会のように、遠くで大量に作った電力を、長ーい電線にのせて使う場所に引っ張って来る仕組み。これはもう、時代遅れになるのです。

10年あれば色々変わります。

10年前はスマホもなかった。スマホのような手元でニューラルネットワークが動くなどとは想像すらしませんでした。

私が自宅を建てた当時は、18年前ですが、新築の自宅にイーサーネット(古い?!)の線を引き回す工事をしたのはそれが当時の最先端だったからです。今なら、そんなことにお金を使わなくても、WiFiルータを一つ買ってくれば、壁のネットワークのコネクタなど不要です。ホームネットワークなどというものは当時はマニアのもの。そして、家の中でネットにつながるものはせいぜいパソコン。

今は、ホームネットに色々繋がります。スマホにタブレット、パソコン、テレビ、スマートスピーカ、プリンター。Hueという電球やスマートコンセントまで。一体何台のネットワーク機器が我が家のルータに繋がっているでしょう。この10年ですごく増えたと思います。

十年前のLED電球の市場の構成比は10数%程度。でも、実際はマニアが買うくらいの高値で売られていたはずです。それが今や、IKEAで数百円で買えてしまいます。下の図グラフは、Wikipediaから取ってきましたが、2012年までの資料。その時点でも上がり具合が増えていますが、現在は市場構成比はかなり高いのではないでしょうか。電気屋さんに行くとLEDの電球ばかりです。

関連記事:IKEAのLUNNOM LED電球は、フィラメントも美しい北欧デザインが光る!そして安い

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/LED%E7%85%A7%E6%98%8E

なので、10年後の普通の家は、太陽光パネルが付いていて、テスラのような大型のバッテリーでオフグリッドしているに違いないのです。

楽しみな世界です。