おうちカラオケDAMのWindows 10版を遅延なく使う接続方法。どうして声が遅れるの?

2019年12月5日エンターテイメント

こんにちは!

カラオケで、昭和のムード歌謡を熱唱しすぎて年齢を疑われる、しずかなかずしです。

おうちカラオケやっていますか?

どこのご家庭にも一台や二台ある、普通のWindows 10パソコン。これを、おうちカラオケシステムに早変わりさせる、おうちカラオケ@DAMをご存知でしょうか?

インターネットがあれば、月額定額1,080円で、採点機能もついた本格的な歌い放題のカラオケが、自宅でかんたんに使えます。

以前、おうちカラオケ@DAM for Windows 10の使い方の詳細に関して記事を書きました。

こちらの記事は、公開してしばらく経ちます。様子をみてみると皆さん、マイクで取り込んだ声がカラオケ演奏よりも遅れる「遅延問題」を抱えているようです。

そんなお悩みを解決すべく、本日は、おうちカラオケの遅延を無くすための、パソコンとマイク、スピーカーの接続方法を解説します。

なぜ遅延が起こるのか

せっかくカラオケシステムを作ったのに、自分声がスピーカーから遅れて発せられる。

これでは、まともにカラオケを楽しむ事などできませんね。そして、この状態ではカラオケDAMの採点機能が満足に動かないでしょう。

では、パソコンでカラオケシステムを作ると、なぜマイクの音声が遅れるのでしょう?

これは、パソコンが行う「デジタル(信号)処理」に起因します。原理的に、デジタル処理は遅延を生み出す根本原因なのです。

デジタル放送でデジタル処理を理解する

実感を持ってもらうために、一つ、デジタル処理と遅延の実例をご紹介します。

最近のテレビの放送は「地デジ」と呼ばれますね。これは、正式には「地上デジタル放送」。

以前は、テレビ放送といえばアナログ方式でした。少し昔のことを知っているテレビっ子であれば、NHKが時間の切り替わりに時計の絵を出して、「時報」を放送していたのを覚えているかと思います。

「ポっ、ポっ、ポっ、ピーん」

と、12時の3秒前から時報を刻んでいた、あの放送です。

最近テレビで見ないな〜と思いませんか?

そうなんです。
デジタル放送になってからやらなくなったのです。理由はパソコンのカラオケの遅延と同じ理屈。「12時ピッタリ」がデジタル放送だとできないのです。ひどい時には数秒遅れてしまう。それがデジタル処理なのです。

以下のようにNHK自ら、時報放送がなくなった理由を説明しています。こちらのページで説明している「圧縮」「解凍」こそがデジタルの仕業。そして、こういったデジタルならではの信号処理が遅延を引き起こします。

パソコンに取り込む長さが重要

同様にパソコンのカラオケでも、パソコン内部でデジタル処理するため、遅延が発生します。この時、パソコンの中ではこんなことが行われています。

  1. マイクから音声をメモリーに取り込む
  2. CPUで信号処理する
  3. メモリー上の処理済みデータをスピーカーに流す

というような事を物凄い速さで連続して処理します。1から3の処理はカラオケ再生中に何度も繰り返されるのです。

2の信号処理というのは、カラオケのエコーをかけたり、点数を計算したり、カラオケの演奏とマイクから入った音声をミックスしたりすることです。この処理はCPUの性能が高ければ高いほど高速に実行できます。

一方、1や3の処理は、アナログの音声をデジタルにする周期(これをサンプリング・レートと呼ぶ)が固定されるので、物理的にそれ以上速くなりえません。

では、どうすれば、遅延なくカラオケできるのでしょうか??

1で、ある程度の音声の長さをメモリに取り込みます。長く取り込めば取り込むほど、3でスピーカーから出てるく音が遅れることになります。つまり、1から3の周期をできるだけ短く細切れに実行すれば、遅延が少なくなります。

理解のために、ちょっと極端な次のような例をイメージして下さい。

ある事象をスマホで録音(または録画)することを考えます。

1時間分録画すると、その事象を再生して確認するのは1時間後になります。でも、録音を1分間だけにして、すぐに再生すると、事象発生の1分後には確認する事ができます。

1時間遅れか、1分遅れか。それは、どれだけスマホのメモリに記録するかにかかってきます。逆に、1時間撮る、と決めると絶対にそれ以上速く事象を確認することはできません(録音しながら再生、というのは別の話)。

カラオケのマイクの音声を、パソコンに取り込んでスピーカーから再生するときも、同じことが言えます。上記の1のメモリを短くすればするほど、スピーカーから速く音が出ます。つまり、遅延が減る、という訳です。

パソコンの奥深く「デバイス」の仕業

ところが、この場合のメモリというのはパソコンの奥深く「デバイスドライバ」という辺りのメモリ管理の話になります。パソコンをある程度いじったことのある人なら、デバイスドライバというと、何か周辺機器をパソコンにつなぐ時に必要になるソフトだと勘づかれるかも知れません。

そうなんです。この場合のメモリの使用量は周辺機器に依存してしまうのです。

だから、パソコンでカラオケやるときは、適切なマイク(周辺機器)を選ぶ必要があるのです。

DAMは推奨マイクを用意しています。そして、そのマイクは、USBオーディオ、という「デバイス」としてパソコンに認識させることで、メモリの使用量をカラオケに最適なものにしているのです。

パソコンとマイクの接続

それでは、パソコン・カラオケシステムの接続方法に付いて見ていきます。

まずは、マイク。

DAMの推奨マイクの中で、私はソニーのECM-PCV80Uをおすすめします。

ECM-PCV80Uのいいところは、USBの小さな箱が付属されていて、マイク入力とスピーカー出力の両方のデバイスが一つの箱に入っているところです。これにより、遅延の原因が最低限に抑えられ、歌っている音が遅れる感じが全くありません。

下記の商品説明ページにもあるように、このマイクの一つのウリの一つが低遅延なのです。

但し、このマイクを使う場合、後述のように、この小さな箱の出力端子(Audio Out)に、外部スピーカーをつなぐ必要があります。

Sony ECM-PCV80UのUSBボックス
Sony ECM-PCV80UのUSBボックス。Mic端子と、Audio Out端子が付いている

パソコンとテレビの接続

パソコンとテレビを接続する方法は、大きくふたパターンあります。

一つは、アナログRGB接続。元々コンピュータモニターの接続のためのもので、D-Sub15ピン端子とか、VGA端子などと、呼ばれることもあります。

そして、もう一つがHDMI接続です。

どちらを使うべきかは、パソコンとテレビのそれぞれにどんな端子が付いているかによります。

パソコン、テレビともにアナログRGB端子とHDMI端子の両方サポートしている場合があります。

最近の機種だと、HDMIを使うケースが増えています。それは、HDMI接続だと、一本のケーブルで音と映像を一度に転送できるから。しかし、この方式がまた、遅延を生み出す可能性があり注意が必要です。

ソニーのECM-PCV80Uを使う場合、HDMIのデバイスを使わないようにします。つまり、テレビから音を鳴らしません。HDMIを使ってしまうと遅れが生じる場合があるからです。マイクのUSBの小箱に付いているスピーカー端子から出てくる音声を使うのがベストです。

Windows画面の右下のスピーカーアイコンから音が出るデバイスを選択する事ができます。

下の図のように、「スピーカー(UAB-80)」を選択すると、カラオケの音声が、USBの小箱のAudio Out端子から出力されるようになります。

マイクボックスが、 UAB-80 なので、 それを選択

Windowsの設定画面も見ておきましょう。

ソニーのマイク(ECM-PCV80U)の場合、入力デバイスも、出力デバイスもどちらも「UAB-80」となっていればOKです。

カラオケDAM Win10のためのサウンド設定

スピーカーの接続

ソニーのECM-PCV80UのUSBの小箱には、先述のようにスピーカー出力端子が付いています。ここにスピーカーをつないでカラオケの音声を出すのが遅延を最低にするミソです。出力端子は、ステレオミニプラグというものですので、外部スピーカーはステレオミニプラグからの入力が受けられるようなものが必要です。

RCAのピン端子を受けるようなスピーカーが多いので、以下のような変換ケーブルも必要かもしれません。

PC用の外部スピーカーや、ステレオアンプなどの大きな音が出て、アナログ入力(ライン入力)を受けられるようなスピーカーをつなぎましょう。

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まとめ

まとめると、以下のような接続になります。

この接続方法なら、カラオケボックスと全く同じように遅延なく、エコーもかかって、採点も正確!

是非、お試し下さい。

おうちカラオケのつなぎ方
おうちカラオケのつなぎ方

テレビ会議にも使える

(2020年5月6日追記)

ときは、コロナ影響真っ只中。外出自粛のために、自宅でカラオケの需要も高まっているはずです。

仕事は在宅勤務でコミュニケーションがZoomやTeams、WebExといったテレビ会議システムを使う方も多くなっているのではないでしょうか。

実は上記の自宅カラオケシステムは、なんと在宅勤務の強い味方だ、ということに気づきました。そんな記事も追加していいますのでそちらも合せてご覧ください↓

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