インバスケット入門 研修体験記

最近、なぜか研修推し

私の会社、最近、研修に参加せよとうるさいです。
先日もアート・アンド・ロジックという研修を受けたばかりですが、今週は、日経ビジネスの1日研修を受講しました。
受講した研修は、「仕事の優先順位の付け方講座〜インバスケット入門コース〜」、丸山広大さんという方が講師でした。(サイトの写真より少し太っている感じの講師です。そんなことはどうでもいいですが。。。)
日頃、仕事をいっぱい抱えてあふれていて、残業時間も長く、その割にやるべき仕事ができていない、と周りに見られている始末。そんな私にはこれ。仕事の優先順位をつけ方を学べそうなタイトルのこの講座を推されました。
研修の最初に、事務局の方がプログラムの位置づけを話していただけました。(別に私は宣伝しているわけではありません)
日経ビジネスでは、「課長塾」という、異業種交流型で管理職対象の、全6日間のプログラムがあります。以下のような7講座を6日間で学ぶものだそうです。

  • リーダー論
  • 課題抽出
  • 判断力
  • 部下指導
  • チーム力
  • 問題解決力
  • 能力開花

私が受講したインバスケット入門コースは、その中の一つ「判断力」として設定されているプログラムを1日切り出したようなコースとなっているようでした。課長塾は、それはそれで総合的にビジネスリーダの育成に効果がありそうな、ちょっと気になる内容ではあります。
事務局の方曰く、6日間のプログラムの中で受講者が一番ハードだったと言うのが、判断力を養う、この「優先順位設定・インバスケット」なのだとか。
 
 

「インバスケット」とは?

インバスケットとは、やるべき仕事の書類が溜まった「未処理箱」のことです。別の言い方をすると「未読メールが溜まったメールボックス」です。どんな仕事でも、自分の目の前には、処理しなければいけない案件が並ぶわけです。その中身を時間が限られた中で、どうその案件を処理するかでその人の仕事のパフォーマンスが変わります。
この仕事のパフォーマンスを測る為のツールとして「インバスケット」が開発されたようです。1950年代に、アメリカの空軍で教育訓練がどの程度その人に定着したのかを計測するためのものだったとのこと。
教育って、学びました。知識としては得ました。と言っても、その知識を実際に活用するとなると、話は違います。料理の作り方をレシピで学んだところで、美味しい料理を作るためには実践が必要です。では、その実際の定着具合を図る為のシミュレーションが、インバスケットのルーツ。
インバスケットでは、以下の10種類の能力を発揮できることを期待します。

  • 問題発見力
  • 問題分析力
  • 創造力
  • 意思決定力
  • 洞察力
  • 計画組織力
  • 当事者意識
  • ヒューマンスキル
  • 生産性
  • 優先順位設定力

 
こういった能力をすべて100%身に着けているようなビジネスマンはあり得ません。通常、どれかの能力がよく発揮できるが、どこかが抜けているというケースがほとんど。今回の研修で強調されたのは、研修を通して、自分自身をよく理解して気づきを得てくださいと。どの能力も均一ではないので、自分にとってどの能力が抜けているのか、その「抜け漏れ」に気づいて帰ってください。これが講師のメッセージでした。

使うのは課長に宛てられたメールの束

研修を通じで題材となるのが、「エディモール」という架空のショッピングモールのケーススタディのようなもの。
受講者は、この架空のショッピングモール運営会社の管理職になりきって、教材に書かれたシュチュエーションで、それぞれ考えます。そして、「自分ならこうする」の積み上げの中で、自分自身の思考の癖に気づいていくことが期待されます。
いくつかあるショッピングモールの一つのテナント管理課長に突然任命されるところから話が始まります。前任者が交通事故で突然その仕事を引き継がなくならなくなったのが自分、という設定です。
教材の大半は、全20通の関係者からのメールの文面。そして補足資料として、関係者の役割を示す組織図や、ショッピングモールのテナントの一覧。それぞれのテナントからの賃料など、シミュレーションの設定がわかるような資料です。
 

最初のお題はメールへの返信

最初に、このメール全てに返信する文面を限られた時間内に書いてください、と言い渡されます。
実は、シミュレーションの中の私は、このメールの処理を1時間で終えたあと、数日間研修で缶詰でメールへアクセスできなくなります。なので、その間に業務が滞らないように、適切に部下や関係者にメールで指示なり報告をしなければならないのです。
研修の時間も厳しく設定されています。何分でやれと言われたか忘れましたが、全部の資料を読み終えて、20通全てに返信を書くには時間が足りません。20件の案件にはそれぞれ、自分なりの優先度を1から順に記載するというのも同時に時間内にしなければならないので全然終わりません。時間が足りなくなるような研修の時間設定にわざとしています。ストレス状態にすることで本来のその人の仕事の癖が見えてきます。
私は、とにかく、すべてのメールに返信すべく、どのメールにも全て返信しました。優先度も半分くらいまで書きました。しかし、実はこれが私の癖でした。つまり、決まった時間内にとにかく全部やろうとする。研修のシミュレーションというお題が与えられて、その時間が区切られる。全部やるには到底無理な時間設定。でも、とにかく、全部やろうとする。ここでは、まずはメールの文面として何を書いたかはどうでもよくて、その研修の「作業にどう取り組むか」。これで私の癖の一つが炙り出されたのでした。
インバスケットでは、結果そのもではなく、プロセスを重視します。
私は上記の課題の中で、確かにメールの優先順位は付けましたが、研修の作業そのものに正しく優先順位設定してたのか、という気づきがありました。周りを見渡すと、やり方はそれぞれです。全然かけない人もいれば、重要なものから手をつけていて、途中でおわっている人など。周りと比較することで、余計に自分の癖の異常さに気づきます。

パレートの法則

パレートの法則、別名、「20対80」の法則があります。構成要素を大きい順に並べた場合、上位の一部の要素が、全体の大部分を左右する、というものです。今回の場合、20%をしっかりやれば、80%はどうでもいいのです(というか、残りは20%としてやったことでカバーされます)。
私が研修でやったように、全部の仕事をやろうとする必要はなく、重要な2割をやればいい、という話です。これは中々難しいと思いました。私は優先度は理解している。でも、優先度の高いものが重要と理解していても全部やろうとする。これが私の「癖」です。頭でわかっていても、行動に移そうと思うと、捨てる必要があります。私からすると、(優先度が低いとわかっていても)やりたいことをやらないことにする決断です。これは重要な気付きでした。
 

優先順位実行マトリクス

優先順位を決定するには、2つの軸があります。「緊急度」と「重要度」です。緊急度は時間軸の話で、重要度は、その仕事をしなかった場合の影響度、といった軸になります。影響度、つまり、やらなかった場合にどういった損失を被るのか、そして誰がその損失を被るのかという影響の範囲もポイントとなります。
この手の研修でよく見る絵ではありますが、2次元にするとこんな感じ(研修資料より一部抜粋)。

優先順位実行マトリクス
課長塾〜仕事の優先順位の付け方講座〜インバスケット入門コース〜資料より抜粋

この図でAを一生懸命やりがちです。でも、マネージャたるもの、そのAの業務がどうして発生したのかを考えることが必要になります。
根本的な「問題を発見」して、きっとこういうことだろう、という「仮説」を立てる。そして、その仮説の裏付けとしての「情報を集める」。情報を集めたうえで、複数の「対策案を立案」する。対策を実行するために「調整」(根回し)をして、最終的に組織として「意思決定」に投げて「行動(実行)」していく。
これこそが、Bの仕事であり、管理職がしなければならない仕事。
そして、その仕事を遂行する為の能力が、インバスケットで測定する、上に書いたような10種類の能力です。Bは時間がかかるし難しい話が多いです。部下の育成とか、今後の飯の種を考える。組織としての計画行動、などがこの象限に入ってきます。BができればAの仕事が減るのです。それが目指す姿です。
 
そういう目線で、先のシミューレションで自分が出したメールを見なおしてみる、というのが研修の後半戦にあります。
上記のA,B,C,Dの図などは、私としては以前から知識としてはありました。
でも、こうして、客観的に自分が書いたメール(そして、書ききれなかったがどうリアクションしようとしていたか含めて)を見なおしてみると、確かに抜けがあります。目先の火消しをすることは判断も決断もしています。でも、Bのしごとに結びつくような創造性を発揮出来ていただろうか、一件一件の案件ではなく、全体を俯瞰して意思決定に結びつく洞察力を使っていただろうか。これが私の2つ目の気づきでした。
研修資料には、「問題は、みつけようと思わないと発見できない」とあります。自分としては、問題を見つけるのは苦手ではないと思っていました。ただ、それは直感的なひらめき?仕事をすすめる上での気持ち悪さ?といった何か長年の感みたいなものに頼っていた気がします。「見つけようとして見つける」この姿勢自分に足りないのだと感じました。
 
 

受けてみた感想

これは良い研修だと思いました。
受ける前は、仕事の優先度の話を異業種の人たちと議論する、ということは、自分の実際の仕事の相談をグループワークでもするのかと思って参加しました。
しかし、題材は全く架空の話。でもリアリティはあります。その上、自分の仕事ではなので客観的です。教材も、インバスケットで測定する能力(e.g. 問題発見力、創造力。。)の議論ができるよう、考えられていて、良く出来ていると感じました。
ただ、ここで出てくる、なんとか力ってのが具体的にどういった能力なのか、というのが完全に消化できませんでした。例えば、洞察力って、どういうこと?みたいな。書籍も出ているようなので、もう少しインバスケット自体を理解したいと思いました。
 

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