ビストロ喜楽亭のチキンカレーをレシピ本から再現する?!ルーを使わない本格カレー
こんにちは!
週末の料理に手間をかけるのが好きなのですが、手間をかけたからといって必ずしも美味いとは限らない、とわかって入るものの手間をかけずにいられないので、いつも料理が出てくるのが遅い、と家族に不評な週末料理人しずかなかずしです。
料理してますか?
料理と言えば、カレーですよねぇ?
わが家には、一昔前に購入したカレーのレシピ本で「週末に作る本格(プロ)カレー」という本があります。
このレシピ本は、Amazonでも、すでに中古しか入手できない本なのですが、私は気に入っています。
本日は、こちらのレシピ本から、再現不可能なチキンカレーを作ったお話です。
週末に作る本格カレーの謎!?
このレシピ本がすごいのは、名だたるカレーレストランのレシピが、カレー店の名前付きで登場しているところです。
目次(メニュー)から拾ってみますと、
などなど、レストランの名前を冠したレシピがズラリ。どの店も、「食べログ」のポイントが3ポイント後半。4ポイントの店もありましたので、かなりの高ポイントなお店ばかり。
この本があれば、そんな有名店の味が、週末に家庭で再現できる!
そんな風に思わせてくれる目次(メニュー)なのです。
ちなみに私が行ったことがある店は、麹町のアジャンタくらいです。某MBAスクールに通っていた時に、授業の後の打ち上げで、そうとは知らずに立ち寄った記憶があります。
でも、
「なんでこんなに秘伝のレシピがずらりと公開されているのだろう??!」
不思議に思いませんか?
私は、不思議に思いました。
しかし、この本を手に取ったときには「カレー初心者」だった私は、レシピを見ながら実際に料理してみて理由を悟ったのでした。
その理由とは、レシピ本なのに、再現するために重要なプロセスが全く書かれていないのです。
いや、プロセスは書かれています。ですがプロセスの詳細が行間にあるのです。
例えばこんな感じです。
- 豆を洗う。米を研ぐときと同じように水が透き通ってきたらストップする
- 鍋たっぷりの水に豆を入れ、沸騰したら火力を弱めて、手でつぶせるぐらいの柔らかさになるまで煮る
- 2と並行して別の鍋に油を入れ、クミンを加えて香りをつける
- 薄切りにしたにんにく、みじん切りにした玉ねぎとトマト、ターメリック、パプリカ、カレーパウダーを加えて炒め、塩で味を整える。
- 柔らかくなった豆を4に入れ、ひと煮立ちさせる。
- 切り刻んだコリアンダーを散らせば、できあがり。
これをみてどう思うでしょう?
1,2あたりは親切に書かれてる感じがしますが、4はどうでしょう。手順が急に省かれている感があります。
全部の材料をいっぺんに鍋に入れて炒めるの?何分ぐらい?どんな状態まで?
などなど、疑問が浮かびます。
私は、既にカレーづくりに関してはかなりの腕前(自称)。その私が読むと、この手順はどのくらいの時間かければよいか、何となく雰囲気がつかめます。また、全部の材料をいっぺんに入れても美味しくできないのは明らかに読み取れます。
しかし、普通のご家庭の料理人がこれを見ながら「マンダラの豆カレー」を再現するのは到底不可能と言えます。つまり、行間を読み解かなければ作れないように書かれているからこそ、このような有名店の味のレシピ本が出版できているのです!
加えておきますが、各材料の分量は正確に書かれています。4人前の分量、のように記載があります。ですが、上記のような事情もあるので、怪しいものだと私は感じています。
レシピ本でビストロ喜楽亭再現
「週末に作る本格カレー」のレシピは詳細プロセスが省かれている、ということを認識すると、「行間を読みながら作る」という新たな楽しみが現れます。
これが、私がこの本を気に入っている理由です。
つまり、材料や調味料・スパイスのたぐいは記載されているので、後は完成形をイメージして、料理のプロセスは自分で編み出していくことが重要で、そこがお楽しみポイントだと考えています。
補足ですが、この本のレシピは市販のカレールーは使いません。基本は、スパイスを調合するか、カレーパウダーで作る、本格カレーです。
という訳で、今回は「ビストロ喜楽亭のチキンカレー」にトライしました。
玉ねぎを炒める
普通、ルーを使わないカレーをつくるなら玉ねぎ炒めはかなりの覚悟でじっくりと炒める必要があります。
焦がさないギリギリのところを狙いつつ、真っ黒になるまで炒めます。これが中々楽しい〜。
最初は当然、以下の写真のように真っ白です。
他のこともやりつつ、根気よく炒めていると、以下のようにこんがりと焦げてきます。
でも、まだまだ、これからです。
最終的にはここまでいきます、というのが下の写真。
スパイス・ブイヨンを作る
ローリエ、カルダモン、クミン、クローブ、唐辛子といったホールスパイスと鶏ガラでブイヨンを作る、という工程が記載されています。
しかし、当然のことながら、調理時間などは全くなし。
仕方がないので、一般的なブイヨンの作り方をネットで調べて作りました。しかも、レシピには無い、野菜のクズ(玉ねぎの皮とか人参の皮とか…)を入れて、じっくり弱火でコトコトと2時間くらいは煮込んだでしょうか。
また、鶏ガラが無かったので、鶏ガラの代わりに冷蔵庫にあった鶏挽き肉で作りました。
ブイヨンができた後の鶏挽き肉、もったいないです。
そう考えて、すこしプロセスを変更しました。玉ねぎの皮やホールスパイスを取り出した上で、ミキサーにかけてポタージュのような状態にしてみました(写真撮り忘れました)。
もはや、レシピ無視?!
自作ルーを作る
大抵(私の経験では)、ルーは先程のような状態になった玉ねぎに、スパイスを絡めて、場合によってはここで小麦粉を入れて一緒に炒めることで作ります。市販ルーを少しやわらかくしたような、粘土のような状態になります。ここで、スパイスを脂分と一緒に弱火で炒めることで、香りを立て、さらに粉っぽさをなくす効果があります。
私の場合は、グルテンフリーを実施中なので、小麦粉ではなく米粉を使用しました。
また、この辺りでトマトも入れて、やはり玉ねぎのように焦げるくらいローストする場合もあります。今回のレシピはトマトケチャップが材料にあったので、その手順が無かったようです。あとでそのことに気づいて、冷蔵庫にあった生トマトで、リカバリーしました。
というのも、うちは、ケチャップをあまり使わないのです。
ケチャップを使わない場合は生のトマトと、甘みの砂糖やハチミツ、お酢で代用するのが基本。
私の書いた、「ケチャップを使わないエビチリ」の作り方も人気のページです。合せてご覧ください
鶏肉も加えて煮込む
鶏肉はフライパンでこんがり焼き、肉と自作ルー、ブイヨン(というなのポタージュ?)を全て合せて、煮込み開始です。
ここで味付けもするのですが、私はトマトケチャップの代わりに、生トマトをここで投入、一緒に煮込みました。ウスターソースや醤油、バルサミコ酢、ハチミツ、カッテージチーズ、などなど、レシピにないものも追加で投入。
もはや、創作料理の世界?!
完成形
行間を読まなければ完成しないレシピ本「週末に作る本格(プロ)カレー」から、「ビストロ喜楽亭のチキンカレー」を作りました。完成したカレーは以下写真。
本物の「ビストロ喜楽亭」のチキンカレーは食べたことがないので、正解かどうかは判りません。
でも、行間を読んで発想を膨らませて作ると楽しいし、結果としてとても美味い。
家族にも大好評のカレーとなりました。