地殻変動を調べる火星探査機インサイト。そうだったのかー
インサイト火星到達のニュース
今週、NASAの新しい火星探査機が、火星に到着しました。
今年2018年の5月に地球を出発。予定通りの日程で、11月27日に見事、火星の地表に到着。
今週、ニュースになりました。
素晴らしいです。また、新たな発見が行われ、さらに一歩、人類が火星に旅行する日が近づくはずです。
到着の瞬間の動画もYouTubeで見られます。
火星探査機の歴史
火星探査機、最近は火星の地表を走る探査機の活躍で、ローバーという呼び名で呼ばれます。
最近では、6月にオポチュニティというNASAのローバーが太陽電池の発電ができなくなり、通信できないニュースがありました。
火星で史上最大級の砂嵐が発生、NASA探査機と音信不通も"好機"に
活動停止中の火星ローバー「オポチュニティ」を発見! しかし通信は未だ届かず…
後者のニュースでは、砂埃により太陽光発電ができなくなり、通信が途絶えている様子をレポートしています。
オポチュニティが沈黙したのは、砂埃が太陽光を遮ったために電力を供給する手段がなくなったためです。ミッションに参加しているエンジニア達も、最初は砂嵐が収まればオポチュニティも回復するだろうと希望を持っていました。しかし、何ヶ月も沈黙が続いた後では、その士気も揺らいできていたようです。
さて、火星探査機の歴史は、古くは70年代。NASAのバイキング1号がありました。最初に火星の地表の写真を撮って地球に送って来ました。写真を撮るセンサーも今よりもずっと性能が劣っていたことでしょう。以下のリンクでは、バイクング1号が撮影したNASAの写真が見られませんが、どうもピンぼけしたような映像です。
1970年代に探査機バイキング1号が送ってくれた火星の写真コレクション
90年代に入ると、NASAは何台かのローバーの着陸を成功させます。
マーズ・パスファインダー、スピリット、オポチュニティ、キュリオシティ。これらの探査機の活躍は、ドキュメンタリーとしても映像化されているものも多く、youtubeなどで視聴可能です。
今回のインサイトはフェニックスの予備機!!?
以下の記事によると、今回のインサイトという探査機は、フェニックスの予備機なんだとか。フェニックスは、走り回るローバータイプの探査機ではなかったようですが、火星の地表を削り組成を調査しました。
「2007年にフェニックスという探査機が行っています。これは地球でいえばアラスカとかシベリアのような非常に寒いところに降りました。地表を削ったら霜のようなものが出てきた、みたいな探査をしたんですが、その予備機です。ですからフェニックスと形がよく似てるんです」
火星の地面は赤いのですが、フェニックスが削った部分から白い物質が。それが、氷だろうという事で話題になりました。2008年のことです。
フェニックスの主任研究員を務める米・アリゾナ大学のPeter Smith氏は、「これは氷に間違いありません。小さな塊は、数日のうちに完全に消えてしまいました。氷である完璧な証拠です。当初、明るい色をした物質については、塩ではないかという疑いもありましたが、塩ではこのようなことは起こりません」と話している。
火星の地下には水がある
それから10年。他の探査機に様々な調査により、火星がかつて地球のように、地表には液体の水が海や川のように流れていたことは、疑いのない事実とされています。
この2018年の7月には、欧州の探査機、マーズ・エクスプレスは、火星の地下深くに液体の水が有ることが間違いない事を突き止めたとのニュースがありました。
インサイトは地震計を設置する
さて、今回のインサイトは、火星を掘ったフェニックスよろしく、地面の下を調査するそうです。
それは、地震計を設置し火星の地殻変動を解明するものです。
地中を3~5mくらいも深く調べる計画だそうです。
これが、人類の火星移住にどの程度重要な意味を持つのかは私自身はあまりピンと来ていません。(どなたか教えて下さい)
でも、これだけの時間と費用かけて火星にこのような探査機を送り込んだのですから、きっと重要な意味のある発見に結びつく事でしょう。
今後の探索結果が楽しみですー。