FTPコマンドが使える機器まとめ。歴史のあるプロトコルは今でも現役?!
こんにちは!
昔むかしのテクノロジーが、AI全盛の令和元年でも、未だに現役なんだなーと、感慨にふけるしずかなかずしです。
みなさんは、FTPというインターネットの技術をご存知でしょうか??
http:// とブラウザのアドレスバーに打ち込んだことがある人でも、代わりにftp:// と打ち込めることを知っている人は少ないでしょう。
FTPとは、File Transfer Protocol の頭文字。こんな説明をしても、余計わからなくなる名前ですね。
要は、コンピュータ同士でファイルをやり取りするプロトコルです。コンピュータ、と言ってしまいましたが、パソコンやスマホなどを想像して下さい。
プロトコルってなに??
で止まった方は、機器同士がお話するときの「約束」または、取り決めだと思って下さい。
例えば、ファイルを送って欲しいときに、
「ファイルAをちょうだい」
ではなく、
「ファイルAを送ってー」
でもなく、必ず、
「ファイルAを*ください*」
という事にしましょう。
そんな感じで、予めキーワード(コマンド)を取り決めをしておくのです。このような、通信を行う際の取り決めのことをプロトコルといいます。
もちろん、実際には日本語が使われるわけではありません。
機械(コンピュータ)同士のコトバなので、アルファベットとか、記号などが用いられます。
先程、ブラウザのアドレスバーに入力するhttp:// というキーワードが登場しました。これは、サーバーと通信をするために、http というプロトコルを使うのか、ftpというプロトコルを使うのか、通信手順を指定するための記号だったのです。
ftpは使う人が減ったので、http:// と呪文のようにそればかりが使われています。しかし、ブラウザは、ftpという別のプロトコルで通信することもできるのです。
前置きが長くなりましたが、本日はそんなftpの活躍の場を探してみます。
FTPの歴史
FTPの歴史は意外と古く、Wikipediaによると最古は1971年。今のようなかたちのインターネットが登場する1980年代には、既にインターネット上のプロトコルとして広く使われていました。
私も、学生の頃は、コマンドライン(!)でFTPを操り、ネット上のさまざなファイルをダウンロードしていました。かれこれ30年も前の話です。そんな昔むかしの技術なのです。
当時、インターネットは、大学などの研究機関で学術目的で使われていたネットワークでした。それが、会社などで商業目的で使われるようになると、Firewallといった技術が発達します。「組織のかなからはネットにアクセスできるけど、外から中に入れない」通信技術です。
FTPは、HTTPとは異なる仕組のため、技術的にfirewallとは相性が悪いのです。
そのため、使用機会が減って、今のように知る人ぞ知る?技術になったと言えます。
現代のFTPを使うユースケース
そんな古い技術は今でも現役。
よく使われるのは、手元のパソコンからレンタルサーバーなどにファイルを送るケースです。
レンタルサーバーを借りてブログのWordPressのようなシステムを立ち上げる。こんなシチュエーションで、サーバーにプログラムを設定したり、関連ファイルを更新したりする際にFTPが使われます。
一方、「組み込み機器」に、FTPファイル転送機能が搭載されている場合があります。
組み込み機器は、パソコンやスマホのように、ユーザーがソフトウェアをインストールしたり、ファイルを更新して、いろいろな目的に使えるようなものと異なります。
ソフトウェアが製品に搭載されていますが、ユーザーは機能を追加したり拡張することはできません。組み込み機器とは、ソフトウェアが何をやっているか、ユーザーが気づく事なく、そのまま使えるような製品とことを言います。
そのような機器では、メニュー画面で適切に設定することで、FTPサーバーにファイルを送れます。
以下では、そんな特定用途でFTPを利用するシナリオをご紹介します。
ネットワーク監視カメラ
以前、このブログで格安のネットワークカメラの記事を書きました。
blogcard
この中で、紹介しましたが、安物のネットワークカメラでも、動き検出で撮影した画像をFTPでサーバーに転送することができます。
監視カメラにとっては、FTP転送がかなり一般的のようです。というのも、例えば、Panasonicやソニーなどの有名メーカーの監視カメラでも、やはりFTP転送の機能が搭載されています。
業務用ビデオカメラ・デジカメ
キャノンやソニーのビデオカメラはネットワークにつながります。そして、ネットワークを通して撮影した動画のファイルをFTPサーバーに転送することができます。
用途としては、撮影現場からスタジオに戻って、スタジオ内の編集システム(パソコンなど)に転送、といったものでしょう(推測)。動画編集というワークフローを効率化するために使われているのでしょう。
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また、動画ではありませんが、一眼レフデジカメ(ソニーαシリーズ – ILCE-9M2)なんかも対応しています。
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スキャナー・プリンター
プリンタ複合機というものがあります。
家庭用の小型のものから、SOHOやビジネス向けのレーザー複合機まで、各社、様々な複合機を市場投入しています。大抵は、プリンタ、FAX、スキャナーが一台でまかなえます。
そして、複合機に付いているスキャナーで取った画像をFTPでパソコンなどに転送する機能を搭載している機種があります。
例えば、支店でお客様から受け取った資料を支店の複合機でスキャンして、そのまま本社のftpサーバーに送ってしまえば、パソコンいらずの業務フローが組めて効率的です。
そのような製品には、以下のようなものがあります。
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我が家は、ブラウザの家庭用a3複合機MFC-J6770CDWを愛用していますが、こちらの製品にも、FTP機能が付いています。以前、以下のような記事を書いていました。
まとめ
サーバーにファイル転送するFTPプロトコル。
プロトコルとは、サーバーとクライアントの通信の取り決めのことです。インターネットでよく目にするプロトコルにHTTPがありますが、今日取り上げたFTPは、HTTPとは使用する場面が異なります。
その歴史は古く、今でもさまざな場所で使われているのです。
ブログのサーバーにファイルを転送する際に使ったりしますが、それ以外にも色々な用途があります。
この記事では、ネットワークカメラや、業務用カメラ、スキャナーなど、FTP機能を搭載した組み込み機器をご紹介しました。
映像・画像関連の業務目的にて、今日もどこかで使われていることでしょう。
おしまい。