FTPコマンドが使える機器まとめ。歴史のあるプロトコルは今でも現役?!

2019年12月20日ネットワーク

 

こんにちは!

 

昔むかしのテクノロジーが、AI全盛の令和元年でも、未だに現役なんだなーと、感慨にふけるしずかなかずしです。

 

みなさんは、FTPというインターネットの技術をご存知でしょうか??

 

http:// とブラウザのアドレスバーに打ち込んだことがある人でも、代わりにftp:// と打ち込めることを知っている人は少ないでしょう。

 

FTPとは、File Transfer Protocol の頭文字。こんな説明をしても、余計わからなくなる名前ですね。

 

要は、コンピュータ同士でファイルをやり取りするプロトコルです。コンピュータ、と言ってしまいましたが、パソコンやスマホなどを想像して下さい。

 

プロトコルってなに??

 

で止まった方は、機器同士がお話するときの「約束」または、取り決めだと思って下さい。

 

例えば、ファイルを送って欲しいときに、
「ファイルAをちょうだい」
ではなく、
「ファイルAを送ってー」
でもなく、必ず、
「ファイルAを*ください*」
という事にしましょう。

 

そんな感じで、予めキーワード(コマンド)を取り決めをしておくのです。このような、通信を行う際の取り決めのことをプロトコルといいます。

 

もちろん、実際には日本語が使われるわけではありません。
機械(コンピュータ)同士のコトバなので、アルファベットとか、記号などが用いられます。

 

先程、ブラウザのアドレスバーに入力するhttp:// というキーワードが登場しました。これは、サーバーと通信をするために、http というプロトコルを使うのか、ftpというプロトコルを使うのか、通信手順を指定するための記号だったのです。

ftpは使う人が減ったので、http:// と呪文のようにそればかりが使われています。しかし、ブラウザは、ftpという別のプロトコルで通信することもできるのです。

 

前置きが長くなりましたが、本日はそんなftpの活躍の場を探してみます。

 

FTPの歴史

FTPの歴史は意外と古く、Wikipediaによると最古は1971年。今のようなかたちのインターネットが登場する1980年代には、既にインターネット上のプロトコルとして広く使われていました。

 

 

私も、学生の頃は、コマンドライン(!)でFTPを操り、ネット上のさまざなファイルをダウンロードしていました。かれこれ30年も前の話です。そんな昔むかしの技術なのです。

当時、インターネットは、大学などの研究機関で学術目的で使われていたネットワークでした。それが、会社などで商業目的で使われるようになると、Firewallといった技術が発達します。「組織のかなからはネットにアクセスできるけど、外から中に入れない」通信技術です。

 

FTPは、HTTPとは異なる仕組のため、技術的にfirewallとは相性が悪いのです。

そのため、使用機会が減って、今のように知る人ぞ知る?技術になったと言えます。

 

現代のFTPを使うユースケース

そんな古い技術は今でも現役。

よく使われるのは、手元のパソコンからレンタルサーバーなどにファイルを送るケースです。

 

レンタルサーバーを借りてブログのWordPressのようなシステムを立ち上げる。こんなシチュエーションで、サーバーにプログラムを設定したり、関連ファイルを更新したりする際にFTPが使われます。

 

一方、「組み込み機器」に、FTPファイル転送機能が搭載されている場合があります。

組み込み機器は、パソコンやスマホのように、ユーザーがソフトウェアをインストールしたり、ファイルを更新して、いろいろな目的に使えるようなものと異なります。
ソフトウェアが製品に搭載されていますが、ユーザーは機能を追加したり拡張することはできません。組み込み機器とは、ソフトウェアが何をやっているか、ユーザーが気づく事なく、そのまま使えるような製品とことを言います。

 

そのような機器では、メニュー画面で適切に設定することで、FTPサーバーにファイルを送れます。

以下では、そんな特定用途でFTPを利用するシナリオをご紹介します。

 

ネットワーク監視カメラ

以前、このブログで格安のネットワークカメラの記事を書きました。

 

blogcard

 

この中で、紹介しましたが、安物のネットワークカメラでも、動き検出で撮影した画像をFTPでサーバーに転送することができます。

 

監視カメラにとっては、FTP転送がかなり一般的のようです。というのも、例えば、Panasonicやソニーなどの有名メーカーの監視カメラでも、やはりFTP転送の機能が搭載されています。

 

 

 

業務用ビデオカメラ・デジカメ

キャノンやソニーのビデオカメラはネットワークにつながります。そして、ネットワークを通して撮影した動画のファイルをFTPサーバーに転送することができます。

 

用途としては、撮影現場からスタジオに戻って、スタジオ内の編集システム(パソコンなど)に転送、といったものでしょう(推測)。動画編集というワークフローを効率化するために使われているのでしょう。

 

 

 

また、動画ではありませんが、一眼レフデジカメ(ソニーαシリーズ – ILCE-9M2)なんかも対応しています。

 

 

スキャナー・プリンター

プリンタ複合機というものがあります。

家庭用の小型のものから、SOHOやビジネス向けのレーザー複合機まで、各社、様々な複合機を市場投入しています。大抵は、プリンタ、FAX、スキャナーが一台でまかなえます

そして、複合機に付いているスキャナーで取った画像をFTPでパソコンなどに転送する機能を搭載している機種があります。

 

例えば、支店でお客様から受け取った資料を支店の複合機でスキャンして、そのまま本社のftpサーバーに送ってしまえば、パソコンいらずの業務フローが組めて効率的です。

 

そのような製品には、以下のようなものがあります。

 

我が家は、ブラウザの家庭用a3複合機MFC-J6770CDWを愛用していますが、こちらの製品にも、FTP機能が付いています。以前、以下のような記事を書いていました。

 

まとめ

サーバーにファイル転送するFTPプロトコル

プロトコルとは、サーバーとクライアントの通信の取り決めのことです。インターネットでよく目にするプロトコルにHTTPがありますが、今日取り上げたFTPは、HTTPとは使用する場面が異なります。

その歴史は古く、今でもさまざな場所で使われているのです。

ブログのサーバーにファイルを転送する際に使ったりしますが、それ以外にも色々な用途があります。

この記事では、ネットワークカメラや、業務用カメラ、スキャナーなど、FTP機能を搭載した組み込み機器をご紹介しました。

 

映像・画像関連の業務目的にて、今日もどこかで使われていることでしょう。

 

おしまい。